Dining Etiquette
New Jersey 在住のとある日本人の方のブログを読んでいたら、「ちゃんとしたレストランではハンバーガーは手に持たず、ナイフとフォークを使って食べるのがマナー」と書いてあった。分かるような気もするが、実際のところはどうなんだろうと思ってネットで調べていたら、こちらの「教えて」系の掲示板で、全くその議論がなされているのを発見した。
http://chowhound.chow.com/topics/543597
本日現在 81 件の書き込みがなされていて全部読むと面白いのだが、上で「議論」と書いたとおり、定説はなさそうである。ただ全体としては、大きすぎて口に入らないならナイフとフォークを使って食べれば良いが、口に入れられるのなら、例えそこが「ちゃんとしたレストラン」であってもその必要はないということを書いている人が多いように見受けられる。また「ちゃんとしたレストラン」であっても所詮はハンバーガーなのでカジュアルに考えれば良く、手で食べることを躊躇する必要はないという論調も多勢のように見える。
ハンバーガーはジャンクフードの代名詞のように思われているが、特にランチ時は比較的高級とされているレストランでもメニューに載っていることは珍しくない。上記の質問もまさにそれで、Hazelton Hotel(トロントの5つ星ホテル)内のレストランで 28ドルもする "The Ultimate street Burger" なるものを頼んだときの疑問である。
ところでこのメニュー名が秀逸である。所詮 street burger なのだがその ultimate バージョンだから 28ドルも取るというネーミング。バーガーは本来屋台の burger が旨いのだという少々パラドキシカルでかつ make sense な意味も込めてあるように感じる。日本で言えば、本来庶民の味だったおでんなのに、銀座に高級おでん屋が存在するというような感じであろうか。いくら高級おでんと言っても串からはずして朱塗の箸で食べるまい。
筆者は流石に 28ドル(カナダドルであろうから、米ドルだと 25ドルくらいか)もするハンバーガーにお目にかかったことはないが、近所のちょっとした人気レストランなどでも 15ドルくらいのバーガーは珍しくない。そういうレストランだと内装やテーブルなども良く整備され、サーバーの応対も良く教育されており、ランチだからとジーンズで来たことをちょっと後悔するような雰囲気である。このため確かに「手で持って食べてもいいんかいな」とちょっとだけ躊躇するのは良く分かる。
しかしほんとちょっと躊躇するものの、筆者はバーガーは全部の要素をがぶりと同時に食べるからこそウマイと思っているので、まず間違いなく手で食べることになる。ただし同じ店の同じバーガーであっても、時と場合によってはナイフよとフォークで食べることも十分に考えられる。取引先と business attire で食べる場合などがそうだろう。手で持つことがマナーに適っているかという心配とは別に、business attire を汚したくないという気持ちもある。顔中ケチャップだらけという間抜けな面を仕事相手に見せるのもナニだから、という発想もある。
となると、まあ要するに「空気を読め」ばいいということなのだろう。
ちなみに上の Q&A では、ピザを手で持って食べることについての議論もなされている。筆者の場合は気分次第でどちらもやる。ただしシカゴピザを手に持つのはちょっと難しいであろう。
ネットでは別に手で持っても構わないという意見が多そうなことは分かったが、もう少し信頼のおけそうな情報はないものかと思い、以前こちらで買ったエチケット全般に関するガイドブックの中の、テーブルマナーに関する部分を読み直してみた。結論としては、バーガーに関する記載はなかった。想像通りではあるが、やはりバーガーのようなカジュアルな食べ物に関するテーブルマナーなど存在しないのだろう。当然であるが、バーガー以外のサンドイッチやフライドチキン、BBQ などに関するテーブルマナーも見受けられない。所詮車を運転しながらでも食べるようなファーストフードにテーブルマナーなどあるはずもないということだろうか。寧ろ、エチケットとしてではなく、江戸っ子のそば作法や「正しいコーヒー牛乳の飲み方」同様、バーガーの正しい食べ方なる議論はあるかも知れない。
それはさておき、テーブルマナーを読み返してみて、いつの間にか忘れていたものや、今まで知らなかったもの、逆に誤解していたものなどが散見されたので、自分への戒めも含めて書いておく。"Etiquette for Dummies," Sue Fox からの抜粋である。
[席の配置]
殆ど全ての会食にはホストがいる。個人宅での会食では勿論、レストランにおいても招待した人がそれである。ホストはテーブルの端に座る。夫婦でホストする場合は夫婦がテーブルの両端に座る。
男性の主賓最上位がホステスの右側に座る
男性の主賓次位がホステスの左側に座る
女性の主賓最上位がホストの右側に座る
女性の主賓次位がホストの左側に座る
ただし丸テーブルの場合は全員が等位となりこのようなルールはないが、カップルは必ず分かれて座り、また男女交互に座る[着席]
男性は女性に腕を貸してエスコートし、椅子を引いて着席を助ける。女性の着席後、男性はそのすぐ左に着席する。男性より女性の数の方が多い場合は、男性の両隣に女性を着席させ、爾後男性が着席する。
フォーマルの場合、ゲストはホストまたは主賓が着席する前には着席してはならない。
(なお、日本のマナー本で良く見られる、椅子の左側から着席・立席するという記載は見られない)[着席後]
ナプキンはホストまたは主賓が取り上げて膝に置くまで動かさない。通常2つ折で使うが、ランチョンナプキンなど小さいものは完全に広げて使う。前掛けのようにぶらさげてはならない。ナプキンの用途は口元を軽く拭くことであり、口紅を拭き取ったり鼻をかんではならない。女性のハンドバッグはテーブルに置いたり背もたれにかけてはならない。自席の背もたれとの間におくか、椅子の下に置く。
(日本で言われる、左下に置くという記載は見られない)[オーダー]
伝統的には男性が女性の分もオーダーするが、現在では女性が自分の分をオーダーするのも全く構わない。[姿勢]
両足はきちんと地面につけておくか、くるぶしで交差させる。脚を組んだり、テーブルや椅子の脚にもたせ掛けたり絡めてはならない。
両手は常にテーブルの上においておくが、肘をついてはならない。手を止めているときは両手を膝の上に置くか、片手を膝、片手を手首のところでテーブルの端に置いておく。
椅子の前 3/4 のところに背筋を伸ばして座る。皿の上にかがみこんではならない。カトラリーは口まで持ってきて使うものであり、口がカトラリーを迎えに行ってはならない。[中座]
出来る限りそっと中座する。ナプキンは椅子の上に置いておけば、中座から戻る前にサーバーが新しいものをテーブルの上に置く。咳やくしゃみのときは、顔を背け、ティッシュかハンカチ(間に合わなければナプキン)を口に当てて覆う。[食事の開始]
ホストが食べ始めるかアナウンスするまで待つ。最初の皿は、全員にサーブされるまで食べ始めてはいけない。[食器の持ち方・欧米の違い]
- American style (The zigzag)
アメリカおよびカナダは、フォークを右手でも使う全世界でも唯一の人種である。右手でフォークを使う場合は、鉛筆を持つように握り、凹部分が手前に来る。皿を食べ終わる前に一旦手を止めるときは、ナイフとフォークを 10時20分方向に平行に置いておくが、終了時とは異なり両者を揃えずに距離を離しておく。
- European or Continental style
フォークは左手のみで使用し、常に人差し指はフォークの背を押さえている。皿を食べ終わる前に一旦手を止めるときは、フォークを8時10分方向に凸部が上になるように置き、その下にナイフを10時20分方向に重ねる。
皿の終了時は American も European もナイフとフォークを揃えて10時20分方向に置く。
左利きであっても左手にナイフ、右手にフォークとしてはいけない。ナイフを鋸のような使い方をしてはならない。肉が切りにくければステーキ用のナイフを所望すれば良い。肉を一度に何口分も切ってはならない。ナイフ・フォークの先を皿に持たせかけて柄をテーブルに置いてはならない。ナイフ・フォークは一旦テーブルから持ち上げたら、二度とテーブルに接しさせてはならない。
(全般に、日本のマナー本と必ずしも一致していない)[各論:パン]
もし目の前にパンのバスケットがあったら、それを取り上げ、右隣に渡して勧めなければならない。自分の分は1週して来た後に取る。もしテーブルが長方形で、バスケットが戻って来そうにないと思われれば、まず自分の分を取り、そして右隣に渡す。
パンが切れ込みだけ入ってナプキンに包まれており、各自用に切り分けてない場合、左手でナプキン越しにパンを持ち、右手で自分の分を掴んで引き剥がす。残ることになる部分に直接手で触れてはならない。バターは、バターサーバから一旦自分の皿に取る。直接パンに塗ってはならない。取り分けるのに自分のナイフを用いてはならない。もしサーバにナイフが付属していない場合、自分のバタースプレッダーを用いて良い。[取り分け]
バンケットやバンケットスタイルでは、大皿が各自の左側に供されてそこから各自取り分ける。この場合、サービングスプーンが凹面を上にして右側、サービングフォークが凸面を上にして左側におかれている。右手でサービングスプーンを凹面を上にして持ち、左手にサービングフォークを凸面を上にして持つ。スプーンですくい、取り分けたものが落ちないようにフォークを上に重ねて取り分ける。使用後はスプーン・フォークを元通りに戻す。[不慮の事態]
カトラリーを落とした時:自分では拾わず、サーバーを呼んで交換してもらう。
調理不十分な時:サーバーを呼んで交換してもらう。
異物混入時:サーバーを呼んで交換してもらう。
料理が気に入らない時:少しだけ食べる。アレルギーがあるときは遠慮せずに No, thank you. と言えば良い。
小骨などが口に入った時:フォークに出し、皿に置く。可能であれば他人から見えないように飾りや他の食べ物で隠しておく。ナプキンに吐き出してはならない。[マナー違反トップ10]
第10位:大声でしゃべる
第9位:髪の毛やイアリングをいじる、顔や頭を触る
第8位:皿の終了時、皿を奥に押しやる
第7位:食べるのが早すぎる・遅すぎる
第6位:食事中にケータイやポケベルを使う
第5位:姿勢が悪い
第4位:財布、鍵、サングラス、メガネ等をテーブル上に置いておく
第3位:肘をつく
第2位:歯をせせる
第1位:飲み込む前に喋る、口を開いたまま咀嚼する
こちらに来て何回外食したが分からないが、アニバーサリー等以外ではさほど upscale なレストランには行かないため、正式にはマナー違反だよなと思いながら結構好き勝手にやっていた。アメリカ人客もさほどテーブルマナーにこだわってはいるようには見えない。しかしそれを繰り返しているうちに本当はどうだったか失念してしまった感がある。改めて覚えておきたい。
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