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2008年11月

2008年11月18日 (火)

New Interchange

また Rockville 市内で道路工事が始まった。いや正確に言うと、だいぶ前から続いている道路工事が新たな局面にはいったということらしい。
去年は年末に I-270 と E. Jefferson St の間の Montrose Rd に並行して Montrose Pkwy を新設した。この際 Montrose Pkwy の開通に合わせて一旦 Montrose Rd を閉じたりしたため、当該区間の渋滞はとんでもない状態がしばらく続いたが、Montrose Rd が local service road として整備され直して再開通した後は渋滞はだいぶ沈静化していた。

下記は今日現在の Google Map である。

Map

これによると E. Jefferson St より東、Old Georgetown Rd までの間が開通していることになっているが、実際はまだである。また、Mid Pike Plaza が、北を Old Georgetown Rd、南を Marinelli Rd とするブロックにあることになっているが、現実はその1ブロック北、即ち北が Montrose Rd、南が Old Georgetown Rd のブロックにある。Montrose Pkwy の、E. Jefferson St と Old Georgetwoen Rd 間はもう殆ど工事が終了しているように見えるが、その東側は Mid Pike Plaza の駐車場となったままストップしているのが現状である。

新しい Montrose Pkwy は Montrose Rd に代わる幹線道路になるのは分かっており、Mid Pike Plaza および Rockville Pike を突っ切り東側の Randolph Rd とつながることも分かっていたが、これらををどうやって突っ切る計画なのか、どうも分からずにいた。

ここをを通過するたびに見ていると、どうやら Montrose Pkwy は、Rockville Pike の下を通すらしいことが分かった。Montrose Pkwy の、Rockville Pike への延長線上は、どんどん掘削が進んでいて、殆ど Rockville Pike 直前にまで達している。しかしながら、Rockville Pike の東側は、一向に工事が進められている気配がないので不思議に思っていた。いや、工事はしているのだが、全く掘削する気配がない代わりに、東側の林を切り開き、整備し、アスファルトで舗装してしまったので不思議に思っていた。そうしたところ、昨日ラジオでこの交差点で工事のため、Rockville Pike は渋滞しており、また左折禁止などの交通規制がかけられているなどと道路情報を流していたのは知っていた。が、今日この交差点を Northbound で通過したときに驚いた。東側に切り開いて整備したアスファルト部分は、Rockville Pike NB の迂回路になっていた。Soouthbound にはとくに変更なく、NB だけが迂回しているので、昨日まで NB レーンであった道路中央部分が工事中状態になっている。色々調べてみると、1週間ほどすると、SB も昨日まで NB レーンだった場所に迂回する予定だそうだ。その段階では次のような状態になるらしい。

迂回中の図

おかげでまた渋滞がひどくなった。これからクリスマス商戦を迎え、ただでさえ Rockville Pike は渋滞するというのに。なんのために? それは、次の図の、真ん中の図を見て分かった。

立体図

これは全てのプロジェクト完了時の、Rockville Pike の西側の Montrose Pkwy から Rockville Pike を見た図であるが、頭上を走る Rockville Pike が、橋になっていることが分かる。つまり、現在の Rockville Pike を一旦少し東よりに迂回させて、Montrose Pkwy の開削を続ける。これにより現在の Rockville Pike 部分は大きな穴となる。ここに橋をかけるわけだ。橋が完成したらそれを開通させ、今度は迂回路部分を開削し、東進する。最終的な完成予想図は次のようなものだ。

完成予想図

現在の平面交差部分はなくなり、その少し南側に立体交差が出来るという計画だ。現在の Montrose Rd は Rockville Pike の直前で dead end となる。ところで、都市部に無理矢理新設した立体交差なので、いくぶん不便そうである。Montrose Pkwy を西から東進してきて、Rockville Pike を南に行こうとする場合、Rockville Pike の手前(Old Georgetown Rd)で左折する。Montrose Rd を通り過ぎると右にほぼUターンする形で Rockville Pike SB に合流できるようだ。Randolph を西進してきて Rockville Pike SB に入る場合も同様だ。なんだかここはとても混雑しそうな気がする。

ところで今年 7/2 のワシントンポストの記事によると、この交差点は、Montgomery County で最も混雑の激しい交差点だそうだ。この立体交差プロジェクトは、今年 7 月に開始され、$47.3M の経費と 2 年半をかけて行うものらしい。Montrose Pkwy 自身も $70M の経費をかける County 内で最も高価な道路になるらしい。この界隈は North Bethesda と呼ばれることがあるが、この界隈はなんでも Montgomery County の雇用の 40% を占め、また近隣に新しく出来るコンドミニアムやアパートなどで人は増え続け、現在この交差点を通過する車は 1 日 60,000 台であるものが、2030 年には 100,000 台になると見込まれているらしい。

それの抜本的な対策としてのプロジェクトなのだが、立体交差を作るのに、普通なら既存の道路を高架でまたぐと思う。ここではそれをせず、地下を通すことにした。日本なら地下を通す場合、通常トンネルを掘るが、ここではトンネルではなく、開削&橋としている。そうした理由は良く分からないが、eastbound through  2 車線、eastbound left turn 2 車線、westbound 2 車線の計 6 車線を確保し、歩道も設置する幅 175ft の横穴を開けるのは現実的でなかったのかもしれない。

プロジェクト全体の情報はこのページで公開されている。
MD 州の Department of Transportation, State Highway Administration というところが所轄らしい。

東京では長らく不忍通り沿いに住んでいたが、この片側 1 車線の狭い道を広げようと、東京都は土地買収を何年もかけて行って来た。2 車線化がいつ実現するのか分からないが、都市部での道路の改造は時間がかかる。不忍通り沿いから引っ越した先では、目の前が都市計画道路に指定されてはいたが、土地買収は全く手付かずの状態であった。

ここは都市部とは言うより都市近郊と言った方が当たっていると思う。実際新しい Montgomery Pkwy を作るために潰した住宅はない。しかしそれにもかかわらず、こんなに時間がかかるのはなぜだろうか? コンドミニアムなどの建設スピードを見ていても、一体いつ完成するのだろうかというほど遅く見える。夜間の工事を見たことがないが、そんなことが理由なのだろうか。なんにしても、また抜け道を考えなければならなくなった。

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2008年11月13日 (木)

English Thinking of Numbers

前回の記事で、数字を階層別に切り分けるときの表示の仕方が納得しにくいと書いたが、今日 e-mail で届いたアンケートで、また別のパターンがあった。

About how much do you spend on books, in a typical 6-month period?

1. $0 - $50 
2. $51 - $100 
3. $101 - $150 
4. $151 - $200 
5. $201 - $250 
6. More than $250

というのである。これもときどき見かける表記法である。選択肢 6 が、more than 250 なので、選択肢 5 は more than 200 and 250 or less (200 を超えて 250 以下)という意味であるのは明らかである。よって 200.00 は選択肢 4 に属し、200.01 は選択肢 5 に属する。カテゴリの表記法は、前回と異なり、今度は切り上げて表示しているわけだ。それならば選択肢 1 は何故 $1 - $50 と書かないのか? ちょっと考えれば分かるが、そうすると 0.00 のときの選択肢がなくなるからだ。そんなことをするくらいなら、せめて前回の方式にすれば整合性がとれるのにと思うが、まったくアメリカ式の発想というのは理解できない。そんなことで整合性がとれなくてもちっとも気にならないのだろう。

また前回の記事で、MD 州におけるスピード違反について触れたが、奇妙に思えることが含まれている。スピード違反の点数を再掲すると、

Speeding in excess of the posted speed limit by 10 miles an hour or more 2 points
Speeding in excess of the posted speed limit by 30 miles an hour or more 5 points
Speeding in excess of a posted speed limit of 65 miles an hour by 20 miles an hour or more 5 points

のようになっている。奇妙だというのは、制限速度 60 mph の道路で 26 mph オーバー(= 86 mph)すると、点数は 2 点である。ところが同じ 86 mph で走行したとしても、それが制限速度 65 mph の道路だと 5 点になる。速度超過は 21 mph しかないのに、である。制限速度が低い方が一般に道路状況が悪く、だからこそ制限速度が低く抑えられている。そんなところで 26 mph もオーバーしているのに 2 点しか減点されない。65 mph というのは、市街地を離れ、車線も広く、道路状況が良いところやフリーウェイなどで設定されスピードであるが、そういうところだと 21 mph しかオーバーしていないのに 5 点も減点されるわけだ。何だか変な法体系だと思う。

テレビを見ていると、色々な番組の予告が流れる。予告の最後に "Tuesday, 9p/8c" などと表示される。アナウンスでは "Tuesday, nine, eight central" と言っている。言わんとするところは、「火曜日の、東部時間午後 9 時、中部時間午後 8 時から」という意味だ。"9p" 部分では「東部時間」を省略し、"8c" 部分では、「午後」を省略している。さらにアナウンスでは "9p" 部分の "p" すら省略している。この表現は、テレビを実際に見ているここが東部時間なので、わざわざ「東部時間」をつける必要がないからなのだとは思うが、これが中部時間である New Orleans で同じ放送を見るとどうなるのだろうか。もっと言えば、California で CNN を見るとどうなのだろうか。AC360 は毎晩 10 時(ET)からであるが、CA ではその予告部分が「毎晩 7 時」に差し替えられて放送されているのだろうか?

日本では「24 時間 365 日受付中」などと言うが、同じ内容をこちらでは "24/7"(言葉では twenty four, seven)と言う。「24 時間」部分は同じだが、「1 年のうち 365 日間」が「1 週のうち 7 日間」に置き換わる。見渡すスパンが年と週では随分考え方が異なると思う。
アメリカでは意外と週単位でものごとを考える場合が少なくない。さきほど Confort Inn のオンライン予約画面を見ていたら、「オンライン予約は 51 週前から可能なので、年号を入力する必要はない」と書いてあった。筆者のオフィスで用いている UPS のアカウントでは、インボイスは weekly に発行され、"2008 年の第 42 週目の分" というような内容で届く。閏年であってもなくても 1 年はきっちり 52 週ではないのだが…
日本でも「週休 2 日」など週単位でものごとを考える場合は多いのだが、「第 42 週」などと表現することは、妊娠の週数やマウスの週令など、どちらかと言えば例外的なのではなかろうか。

スーパーマーケットなどの小売店で、"3 for 10" などという表示を見かける。"3 pieces for $10" (3 個で $10)という意味だ。しかし最初は 10 個 で $3 なのではないかと思ってしまった。"For" の意味を「~のために」と解釈したため、「10 個を買うために 3 ドル必要」などと読んでしまったのだ。"3/10" と省略したりもする。一見分数にも見えるが、流石に 0.3 ドルということではないのは分かる。が、分母は通常「○○あたり××」の「○○あたり」に相当するため、"3/10" だと 10 個あたり 3 ドルと読めてしまう。やっぱり confusing なのである。まあ "3 for 10" と "10 for 3" では単価が 11 倍も違うことになるので最終的に間違うことはない。しかし "2 for 3" と "3 for 2" あたりだと、結構悩ましい。2年たってやっと悩まなくなった。

また同様に小売店で、良く "buy 3 get 1 free!" というセールをやる。要するに 3 つ分の値段で 4 つ買えるということだが、日本ではあまりこういう表現は見かけなかったように思う。紳士服のチェーン店などでは「2 着目半額セール」のようなものを見かけたが、その程度だったのではないか。日本でももちろん「まとめ買いでお得」セールはあるが、もっとダイレクトに、例えば定番価格が 980 円の商品であれば、単純に「4 個で 2980 円」などと言うと思う。商品の個数で割引率を表示することはなく、価格で表示するのが普通だと思う。

数字そのものの謎ではないが、自動車のタイヤはどうして 175/70R14 などと表現するようになってしまったのだろうか。ここで「何故」と言っているのは、"175" は mm なのに、"14" はインチという妙な組み合わせになったのはどうしてか、という話である。そしてそれが日本だけでなくアメリカでも同様なのは実に不思議なのだ。もっとも昔のバイアスタイヤは幅・径ともインチ表示ではあったが。ラジアルタイヤは扁平率表記の関係で幅を mm であらわすようになったのではないかという推測もあるが、それならば同時にリム径やリム幅もメートル法に変更すればよかったのに、と思う。ホイールの PCD は、114.3mm / 120.65mm / 139.75mm であるが、これがそれぞれ 4½ in / 4¾ in / 5½ in であるとは知らなかった。

タイヤのスペックついでに、こちらのクルマのスペックはメートル法・インチ法がごちゃまぜだ。次は "2009 Ford E-150" のスペックの一部である。

- 4,606 cc 4.6 liters V 8 front engine with 90.2 mm bore, 90.0 mm stroke, 9.3 compression ratio, overhead cam and two valves per cylinder 99W
- 35.0 gallon main E85 fuel tank 29.1
- Power: 168 kW , 225 HP SAE @ 4,800 rpm; 286 ft lb , 388 Nm @ 3,500 rpm
- 3.730:1 axle ratio
- External dimensions: overall length (inches): 217.0, overall width (inches): 79.3, overall height (inches): 81.2, ground clearance (inches): 7.0, wheelbase (inches): 138.0, front track (inches): 69.4, rear track (inches): 66.6 and curb to curb turning circle (feet): 48.0

トルクの単位はしっかり ft lb である。286 ft lb ということは、0.3 をかけて 0.45 をかけると… だいたい 38.6 kgfm くらいらしい。排気量はなぜかメートル法。4.6 リッターならもう少しトルクがありそうなものだが。

まだまだ色々な違和感にぶつかることだろう。

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2008年11月 8日 (土)

Logical English?

数字の表記に戸惑うことがよくある。

2つ前の記事で、ハリケーンのカテゴライズを記した。再度引用すると、

Cat 1: 74-95 mph、Cat 2: 96-110 mph、Cat 3: 111-130 mph、Cat 4: 131-155 mph、Cat 5: 155 mph+

である。これ、日本人なら必ず違和感を感じるのではなかろうか? 少なくとも理系の人間には。最大風速 95.6 mph のハリケーンは Cat 1 なのか、Cat 2 なのか、どちらなのだ? と。有効数字の考え方からすれば、96 mph に四捨五入されるので Cat 2 になると思う。が、熱帯低気圧ではなくハリケーンと呼称されるのが 74 mph 以上(= 74 mph 未満なら熱帯低気圧)ということだと考えると、73.9 mph はきっと熱帯低気圧だろう。とすれば、事実上小数点以下は切り捨てということになり、95.6 mph は Cat 1 ということになるだろうか。

ついでに言うと、Cat 1 から Cat 4 までは、下位カテゴリの上限値と上位カテゴリの下限値は、1 ずつ離れているのは上に書いたとおりだが、Cat 4 と Cat 5 の間は事情が違う。上の推測から 156 MPH 未満は Cat 4 だろうと思われるから、Cat 5 の 155+ というのは、事実上「156 MHP 以上」という意味だ。これだけ見ると、155.0 を超えたらというように見えるがそうではない。殆ど驚きに値する。これがもっと精密なカテゴリになっていて、小数点まであったとすると、いったいどう解釈すれば良いのかお手上げである。例えば、こんな場合。"155.0+"。 これだけだと何とも分からない。この一つ手前のカテゴリが "xx - 155.0" となっているのを確認しないと安心して 「155.1以上」という意味だと解釈できない。

Amazon.com で7インチディスプレイのミニノートを調べたら 42 件ヒットしたが、その price range 毎のヒット数は、

$200-$499 (28)
$500-$999 (6)
$1000-$1999 (4)
$2000-$4999 (1)

であった。では 499.99 はどちらに入るのか、と思ってスクロールしてみたら、

MSI Wind 10" Mini Laptop (1.6 GHz Intel Atom Processor, 1 GB RAM, 80 GB Hard Drive, XP Home, 3 Cell Battery) Black
1 Used & new from $499.99

というのがヒットしたので、499.99 は、$200-$499 に含まれていることが分かった。やっぱり 499 というのは、500 未満という意味だ。ハリケーンの推論では、後者が正しいに違いない。
ではアメリカではカテゴライズの表現としてこれが主流かと言うと、必ずしもそうとは言えない。次の例は、筆者から見てかなり違和感の小さい例である。

ZIP code 20817 の、世帯収入別人口構成比(2007)

Income Range Ratio
Income Less Than 15K 2.75%
Income between 15K and 25K 1.77%
Income between 25K and 35K 2.24%
Income between 35K and 50K 4.76%
Income between 50K and 75K 10.17%
Income between 75K and 100K 11.34%
Income between 100K and 150K 23.70%
Income between 150K and 250K 24.81%
Income between 250K and 500K 11.25%
Income greater than 500K 7.20%

比較的裕福な層が多いことが分かるが、今回はそれはどうでもよい。Between という単語を用いている。だが厳密に言うと、セント単位まできっちり 50K の人は、"between 35K and 50K" と "50K and 75K" のどちらに分類されるのだろう。従って少々違和感は残る。

日本ならば、次のように記載するのが通常である。

スピード違反の点数と反則金

速度超過の範囲 点数 反則金(円)
15km未満 1 9,000
15km以上 20km未満 1 12,000
20km以上 25km未満 2 15,000
25km以上 30km未満 3 18,000
30km以上 35km未満 3 25,000
35km以上 40km未満 3 35,000

「以上」と「未満」を用いて、どんなに特殊な値が発生しても迷うことなく必ずどこかに分類できる。

このような切り分けの仕方はその他色々な局面で見られる。11:00~12:00 という意味を表すのに 11~11:59 と書く例もある。ちなみに毎正時 00 分の時は、":00" を書かない場合が多い。省略できるものは出来るだけそうしようという基本的な考えでもあるのだろうか。
イベント等の日時の表示に関しては、次のような例も多い。

Saturday, December 6th from 1 – 4 p.m.

"to" が "-" にとって代わられているのである。"-" は通常 "between" の意味を持つのであって、時間の終点を示す "to" の意味を持たない。従って上の表示だと、「1 時から 4 時の間のいずれかの時点から開始される」(= 2 時開始かも知れないし、3 時開始かもしれない)と読めてしまう。しかも 4 時には pm がついているが、1 にはついていない。よって、これが午前 1 時でないとも限らない。まあ普通、そんな時間に始まるイベントなどないから、常識的に 1pm ~ 4pm のことであると推測はできる。しかし "8 - 10" あたりだと、"8am - 10am" なのか、"8pm - 10pm" なのか、はたまた "8am - 10pm" なのか、かなり分からない。イベントの性格やバックグラウンドをかなり良く知っていないと判断がつかない。新聞記事などでは字数を極力少なくしようとするせいか、このような例は非常に多い。日本であれば基本的に 24 時間制を用いるので混乱することはない。

この、12 時間制を用いる習慣は実に徹底していて、列車や飛行機の時刻表まで全て 12 時間制である。アムトラックの時刻表では、"8 40A" だとか "10 45P" などと書いてある。それぞれ意味はお分かりであろう。おまけに、午後の時刻は太字で印字されている。この午後を太字にするのはアムトラックに限ったことでなく、多くのバスや列車の時刻表で採用されている方式である。A とか P とかだけでは間違いやすいからであろうか。それならば 24 時間制にしてしまえば良いのに、と思う。ついでに言うと、"12 15P" という表記は、24時間制で言う 0:15 であろうか、12:15 であろうか? 答えは当然と言えば当然であるが、後者である。何しろ午後だから。が、日本であれば、この時刻を「午後」を使って表現する場合、何と言うだろうか? 「午後 0 時 15 分」と言うのが普通である。こちらの 12 時間制は、そういう意味で典型的な 12 進法になっていない。正当な 12 進法は、0 ~ 11 の 12 個の数字を用いるが、こちらは 12 および 1 ~ 11 という 12 個の数字を用いているのである。
さて、ぴったり正午の場合は何と表現するのだろうか? アムトラックの時刻表では "12 00N" と表示されている。言うまでもなく "noon" の N だ。この一瞬だけ A でも P でもないらしい。とすると深夜零時はどうだろうか。残念ながら手元にある Northeast Corridor の時刻表では、深夜零時が1箇所も出てこない。が、2箇所ほど "11 59P" というのがある。アムトラックの運行なんて1分程度は全く誤差の範囲なので、これは深夜零時の意味だろうと推測する。
なお、公共交通機関の時刻表で 24 時間制を使用しているのは、筆者の知る限り(と言っても日米欧しか知らないが)、驚くことに日本だけである。

アメリカでは 12 時間制であるというのは、PC の上でも実験してみることが出来る。XP や VISTA なら設定が簡単だ。XP なら、コントロールパネルから「地域と言語のオプション」を選び、言語として「英語(米国)」を選ぶと、右下の時刻表示が 15:46 だったものが 3:46 PM に変わる。

さて、上で日本の免許制度におけるスピード違反を記したが、Maryland ではどうだろうか。次のようになっている。

Speeding in excess of the posted speed limit by 10 miles an hour or more 2 points
Speeding in excess of the posted speed limit by 30 miles an hour or more 5 points
Speeding in excess of a posted speed limit of 65 miles an hour by 20 miles an hour or more 5 points

単にこのように書いてあるだけだ。面倒なので現在地の速度制限が 55 MPH だとすれば3行目は無視できる。そこでの 15 MPH の速度超過は 2 点減点であることがわかる。しかし 32 MPH だとどうか。1行目にも2行目にも該当する。2 点なのか 5 点なのか? 当然 5 点ではあるが、それは2行目のどこにも書いていない。「複数に該当した場合は重い方を採る」という条件を補足しているから分かることだが、論理的に言えばこの表現は失格である。また3行目との優先順序も同様である。55 MPH 制限時の 25 MPH オーバーは当然 2 点であるが、65 MPH 制限時の 25 MPH オーバーは 2 点なのか 5 点なのか? この場合も重い方を採る前提を当てはめて 5 点であろう。制限速度が速いときは、30 MPH までオーバーしなくても、早々に 20 MPH オーバーの段階で 5 点とりますよ、ということに違いない。

これは州法であるが、かようにいい加減に出来ているように見える。もっとも別のところに「複数に該当した場合は重い方を採る」と断り書きがしてあるのかも知れない。日本でも「免許不携帯で速度違反」などということはあり得るわけで、「重い方を採る」と書いてあったと思うが、速度の分類にもそれを当てはめ、「○○以上××未満」等と書かないで済ますところは合理主義も行き過ぎのような気がする。

もっとも、英語には「以上」「以下」いう便利な単語がないのも事実である。日本語に「未満」に対応する「~を超えて」という単語がないのと似ているかも知れない。以下にちょっと日米対応をさせてみる。

10 を含まず、10 を超えて:over 10、more than 10 等
10 を含まず、10 未満:under 10、less than 10 等
10 を含み、10 以上:10 or more
10 を含み、10 以下:10 or less

1行目以外は日本語としては「二重の重複」になっているがご勘弁願いたい。「以上」「以下」は1単語では表せないのである。

日本語はその構造上、あいまいさが際立つ言語であり、英語はその逆と一般には言われているし、筆者も間違いなくそうだと思う。が、言語の体系上はそうなのであろうが、数字の取り扱いそのものについては、日本の方がはるかに厳格である。仕事のやり方にしても、こちらでは容易に「そんな細かいことどうでもいいじゃん」となるのに対して日本では「細かいところまできちんとするべき」と考えるのが普通だ。日米間で仕事をするとこうした違いが際立ち、双方でフラストレーションが溜まることが良くあるが、そうした違いが数字の取り扱いにも現れているのかも知れない。

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2008年11月 6日 (木)

Police

普段あまり厄介になりたくない組織の一つに警察がある。
日本では都道府県単位に警察本部がある。東京都なら当然警視庁であるが、街を走っているパトカーには全て「警視庁」と書かれている。それぞれのパトカーはどこかの警察署またはいずれかの交通機動隊に属しており、その表示を見れば所属が分かる。カラーリングが白黒で統一されているのは言うまでもない。赤色回転灯の仕様も共通だ。

ところが、である。Bethesda や Rockville あたりで生活していると、実に多様な警察を見かけるのである。MD State police(MDSP)、Montgomery County Police Department(MCPD)、Rockville City Police Department(RCPD) のほかに Sheriff のクルマも見る。パトカーは全てカラーリングも仕様も異なる。
組織は、MDSP の下に MCPD があり、さらにその下に RCPD があるのだとすれば、警視庁の本庁 - 方面本部 - 警察署 という例えに近いが、日本ではそれぞれパトカーを持っているというわけではない。もしそのようなパトカーが存在するとすれば、東京のある区では、その区の所轄警察のパトカーが巡回しているのと同時に方面本部所属のパトカーも巡回し、本庁のパトカーも巡回しているということになるわけだが、日本はそういう風にはなっていない。

こちらはそれぞれがパトカーを持っており、例えば Rockville だと、上の全てのパトカーを見かけるのである。そもそも組織上、RCPD が MCPD の下部組織であるというわけでもなく、MCPD が MDSP の下部組織だというわけでもない。それぞれ独立した自治体である MD State、Montgomery County、Rockville City のそれぞれが独自に police department を持っているということなのである。そういうわけで Rockville には次のような警察署がある。

MDSP Barrack N(MDSP N 分署)
MCPD 1st District Station(MCPD 第1分署)
RCPD

色々調べてみたのだが、どの警察がどの業務を分担しているのか結局良く分からない。ただ、MCPD と RCPD のページを見ると、emergency 時の電話番号は 911 で共通している。つまり、911 にかけると、MCPD と RCPD の共同指令センターのようなところにかかるのであろう。一方、非 emergency 時の電話番号は、それぞれ別の番号が書いてある。一方 MDSP では、「非常時は 911、それ以外はこちら」という表示がなく、各 Barrack ごとの電話番号が書いてあるだけだ。では、非 emergency の場合、これら3つの警察のどれに電話をすれば良いのであろうか?

クルマを運転していて、事故を起こしたり起こされたりした場合、保険の処理のために事故証明書が必要なのは日米とも一緒である。日本であればこの事故証明は、事故現場を所轄する警察署で取得できる。所轄の警察署は当然1つしかないので、どこに行くべきか悩むことはない。ところがこちらでは、上の3つの機関ともそれを発行するらしい。事故証明(police report)は、実況検分の結果に基づいて発行されるわけだが、3つのうち実況検分を行った警察が発行するのだろうと「推察」する。ではそもそも、どの警察が実況検分を行うのか? 人身事故でない場合、通常、連絡先は 911 ではない。従って非 emergency の番号にかけることになる。非 emergency の番号は3つの警察で異なるので、要するに最初にどの警察を呼んだかで決まるのではないかと思う。しかし、である。例えば Rockville であれば上の3つとも番号はちょっと調べればすぐ分かる。しかし事故現場でそれを初めて調べるのは無理がある。事故は Rockville で起こすと決まっているわけではなく、旅行先のアリゾナの名前も知らない土地で起きるかも知れないのに、それを前もって調べておくのは不可能である。このあたり、実際にはどうなっているのだろうか? 今もって不明である。

ところで、映画やテレビで舞台となる警察と言えば、LAPD か NYPD である。これはどちらも city police だ。大きな市では自前の警察を持っているということだろう。Rockville City は Maryland 第3の市で(と言っても人口は 55,000 人しかいない)、そのため規模は NYPD の何百分の1しかないものの、自前の警察を持っているのだろう。Maryland 第1の都市である Baltimore にも、第2の市である Gaithersburg にもそれぞれ自前の警察がある。ところが、例えば Rockville の南隣の Bethesda には自前の警察がない。従って Bethesda は MDSP と MCPD がカバーするのだろう。

ところが、county police というのは、全米でも 80 しかないそうで、その多くが大都市周辺のメトロエリアに存在するようである。一見すると東海岸が多いようである。数え間違いはあるかもしれないが、州別に多い順に並べると、Georgia (11)、Virginia (10)、New York (6)、Maryland (6)、New Jersey (5)、Pennsylvania (4) などとなっている。
逆に言えば、全米でもそれ以外の場所では county police は存在しないわけで、自前で city police を持てるほど大きな市もそうそう多いわけではないことからすると、全米の殆どを占める中規模以下の市では、state police しかないのが普通なのであろう。

一方、sheriff のクルマも見かけると書いた。Sheriff とは保安官のことかと思っていたが、選挙で選ばれる county の最高職だそうで、司法権と警察権を持つ「郡保安官」なのだそうだ。現実問題、この sheriff の役割は州によって随分違うらしいが、税金を徴収したりもするらしい。また county police があるような場所では、sheriff の役割は随分軽減され、county court の運営専門だったりするらしい。逆に田舎町であれば、きっと昔の西部劇のように、今でも警察権をもつ信頼のおける「保安官」なのだろう。が、ここ Montgomery County ではどうなのだろうか。まして city police まで存在する Rockville では?

Montgomery county から1歩南に出ると、そこは DC である。全米でも DC は特別なところで、その中には county もなければ city もない。ホワイトハウスの住所は、1600 Pennsylvania Ave, Washington, DC 20500 などと表記する。比較のために NIH の住所を書いてみると、9000 Rockville Pike, Bethesda, Maryland 20892 となるわけだが、あたかも DC という州があり、その中に Washington という city があるかのような表記である。現実問題、DC は city でもあり county でもあり state でもあるようなものである。警察はというと、当然1つの組織しかない。Metropolitan Police Department という。これを略すと MPD になり、実際そのような表記も見かけることはあるが、通常は MPDC である。パトカーにもそのように表記されている。NYPD のパトカーの数は唖然とするくらい多いが、MPDC も負けじと多いように見受けられる。平日も休日も本当にサイレンを鳴らして走るパトカーが周囲に常時1台はいるのではないかと思うくらいうるさい。

ちなみに、上のように行政区域ごとに存在する警察のほかに、行政府の建物を警備する Federal Protective Service、郵便局の建物や車両などを警護する postal police、国立公園を警護する Park Police、アムトラックの駅・車両を警護する Amtrak Police のようなものもある。さらに NY などの大都市では、特定の施設を警護する New York City Port Authority Police や MTA police のようなものもある。この界隈だと NIH Police というのがある。捜査権限などがどのようになっているのかは全く分からない。

いつぞや、MPDC から手紙が届いた。知らないうちにスピード違反をしていたようだ。きっちりオービスに写っていた。17 マイルオーバーで 80ドルくらいの反則金を払ったが、面白いことにこちらのオービスは、車両通過後、後から撮る。だからかどうか分からないが、ドライバーの特定が出来ない。よってクルマの所有者が反則金を払う。ドライバーの免許が汚れることはないのはありがたい。さらに面白いと思うのは、この反則金の支払は、チェックを郵送しても出来るが、オンラインで支払うこともできる。オンラインで支払う場合はクレジットカードも使用できる。
クレジットカードは MVA や郵便局などでも使用可能で実に便利なのだが、公金をクレジットカードで支払うというのがいまだちょっとピンと来ない。逆に、日本もそうしてくれれば非常に便利なのだが。先日、在ワシントンの日本大使館でパスポートを発行してもらったが、費用の 142 ドルは現金かマネーオーダーのみ受け付けるとのこと。100 ドルを超える現金など久々に持ち歩いた。

まあ反則金の支払は簡単だが、警察にはなるべく厄介にならないようにしたい。

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