Drive Thru
日本でドライブスルーと言うと、ファーストフードを思い浮かべることと思う。筆者もそうだった。ファーストフードのドライブスルーはこちらでも同様に沢山あるが、こちらに来て驚いたのが、銀行のドライブスルーが珍しくないことである。
この写真は銀行の ATM がドライブスルーになっているものである。写真左方から進入し、ATM の前で左いっぱいに寄せれば、ドラ席の窓を開けるだけで取引が出来る。そういう目的なので普通の ATM よりもかなり低い位置に操作パネルがある。
この写真は別の銀行のドライブスルーである。3レーンあり、一番左のレーンはやや見づらいが上と同様、ATM になっている。右の2レーンは、テラーのいる普通の窓口と同様である。テラーとのやりとりはマイクとカメラで行い、金銭その他の授受は、エアシューターを使って行う。シューターの扉を開け、カプセルを取り出し、その中にデポジットならチェックとデポジットチケットを入れてテラーに送る。テラーは建物内で取引を処理し、レシートなど必要な書類をまたカプセルに入れ、シューターで送り返す。ドライバーはそれを取り出して用件終了となる。
当初、駐車場に車を入れて普通の ATM を使っていたが、慣れてくると、クルマを降りずに用件が済むのが非常に便利に感じられ、降りなくて済むなら降りずに済ませてしまうようになった。
さてこれはカフェのドライブスルーである。日本でもありそうなものだが見たことはない。まあこちらでもあまり多くはなく、見かけると珍しいと思うほどである。
これは日本では恐らく存在しないだろう。こちらでは珍しくない。ドラッグストアのドライブスルーである。とは言っても処方薬用(調剤薬局)のドライブスルーであって、ここでシャンプーその他の日雑が買えるわけではない(と思う)。
最後に、これは花屋のドライブスルーである。ネット上で見つけたが、自分ではまだ見たことはない。
うろ覚えだが、"Fast food nation" の中に、次のような記載があったように思う。20世紀の初頭、モータリゼーションが発達して、特に西海岸で diner 等のレストランビジネスが盛んになった。街道沿いのレストランはこぞって客を誘引するのに躍起になった。ミニスカートのチャーミングな女性を道沿いに立たせたり、あの手この手で客引きをした。その中に、ドライブスルーを始めたレストランがあった。当時クルマはステイタスシンボルの一つで、客はクルマから降りたがらない。そこにうまく商機を見つけたのがこのサービスである、と。
Wikipedia によると、1948年、In-n-Out が Baldwin Park, CA で始めたのが全米最初のドライブスルーであるとのことである。
しかし冷静に考えると、現在の In-n-Out は、オーダーを受けてから焼き始めるため、客に渡すまでに結構時間がかかる。客は番号札と紙コップを渡され、ジャンクドリンクを飲みながら自分の番号が呼ばれるのを待つ。当時もそうだったのであれば、オーダー窓口と引渡し窓口の間が相当長くないと、間に溜まった客(クルマ)が溢れてしまうように思われる。In-n-Out では eat in したことしかないので気づかなかったが、現在でもドライブスルーはあるのだろうか。今は東海岸にいるので確認できない。
こちらで人気の Five Guys も同様、引渡しに時間のかかるバーガーなので、多分ドライブスルーはないものと思われる。
昔のレストランの写真で、ドライブスルーではないが、レストランの駐車場に沢山のクルマが停められ、そのクルマの中、あるいはすぐ脇で食事をしているものを見かける。ウェイトレスは、恐らくテーブルにではなくクルマに食事を届けたのだろう。これもクルマから降りたくない気持の現われかも知れない。
クルマから降りないで受けるサービスの一つに、映画があった。筆者が 1978年にアメリカに滞在した時にはまだあった。広いグラウンドに巨大なスクリーンを設置する。人々はクルマで乗りつけ、スクリーンに向かって駐車する。が、降りない。クルマに乗ったまま映画を見る。音声は、FM ラジオで聞く。ポップコーンももちろん車内で食べる。今ではこんなサービスはもうないようだが、夏のイベントとして特設開場で開催されることもある。今年は 8/2~8/30 の毎土曜日、Centerville, VA で行われる。もしかしたら 1978年のときも、既に特設イベントだったのかも知れない。
夏、道路の脇で子供たちが "Car Wash" の看板を持って騒いでいることがある。行ったことはないが、誘導に従って行くと広場に案内され、クルマに乗ったまま洗車をしてもらえる。もちろん彼らの小遣い銭稼ぎだが、これも需用と供給がマッチした例だろうか。
オーストラリアでは信号待ちの間、子供たちが勝手にフロントガラスを拭き、チップを期待するというのを見かけたが、こちらでは見かけない。
ドライブスルーの一種と言えると思うが、機械洗車もある。これは日本でも珍しくない。が、一つだけ決定的な違いがある。日本ではクルマは完全に停止したまま(確かエンジンも止める)、機械の方がレールの上を行き来するが、こちらは逆だ。機械は固定してあり、クルマが動く。とは言え自分で運転するのではなく、所定の位置に一旦停止すると、その後はフックのようなものが前輪を誘導していく仕組みだ。そのため誘導が始まったらサイドブレーキ、フットブレーキとも開放し、ギアはニュートラルに入れておかなければならない。
その他、ドライブスルーだと便利なものはどんなものがあるだろうか。そうだ、ガソリン。いや、考えて見れば self service でない full service のスタンドはドライブスルーだったわけだ。それがこちらでは self が主流であるため、クルマから降りなくてはならない。真冬などこれが結構しんどい。そういうときは full service はありがたいかも知れない。
ただでさえ運動不足なんだから、少しくらいクルマを降りた方がいいのだろうが・・・
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