Lanes and Driving Technic
こちらで運転していて思うことを、いくつか思いつくままに書いてみよう。
2年前、こちらに来て間もない頃、次のような車線区分を見て仰天した。
左折車線が3つもあり、しかも右から2番目のレーンは直進車と左折車の双方が混在することになる。日本で言えば右折車と直進車が混在する状況である。日本では右折レーンはあくまで右折専用で、直進車が混在することはあり得ない。
日本の信号パターンをこちらに置き換えると次のようになる。
対向する双方向ともに直進不可・左折オンリーOKとなった後、双方向とも緑になる(あるいはその逆。日本では逆の方が普通だ)。実際にこういう信号パターンの交差点もある。
なお「双方向とも緑」のとき左折矢印をわざわざ赤に点灯させるケースは少ない。単に左折矢印の緑が消灯するだけだ。ということは、対向車が途切れれば左折しても良い。
この応用編として次のような信号パターンも考えられる。
①上向きが全方向OK。下向きは赤
②双方向とも直進のみOK
③上向きは赤。下向きが全方向OK
このパターンは、こちらでは結構多い。しかし上のパターンと比較して、メリットが分からない。
さて最後に、冒頭で紹介した車線区分が可能な信号パターンはこれだ。
上向きが全方向OK となったあと、全方向赤になるというものだ。要するに4叉路のうち1本だけをフルオープンにする代わりに、ほかの3本のどれかが緑になっている間はフルクローズというわけだ。これなら左折と直進が共存できる。左折車が多く、左折レーンが2車線以上あるような交差点ではこのようなパターンをとっているケースが多い。
車線ということでは、片側3車線の道路で、左折レーンはあるのだが信号がないというような交差点が珍しくない。対向車線が3車線もあったのでは、信号で止めないと左折出来っこないと思うが、これが意外に出来る。出来るから信号をつけていないのだろう。上の信号パターンとも関係あると思うが、近隣の信号の関係で、実際に対向車がピタリと来なくなる時間があるのである。中央分離帯のあるような道路では、こうしたスペースを利用してUターンする車も多い。
この周辺ではあまり見かけないが、New Jersey を走っていると、"All turns made from right lane" などと書いてあることがある。「左折とUターンも右車線からせよ」という意味だが、最初どういうことか分からなかった。が、話は単純である。こういう仕掛けである。
交通量が非常に多く、市街地をはずれて速度の出るような幹線道路で見られる。
ところで、まだ慣れない時分に車線に関する勘違いでヒヤっとしたことがある。こちらでは右折専用レーンは珍しくない。しかし、交差点の先にはその車線の延長がないこともまた多い。図で示すとこうだ。
青いクルマが自車で、信号は赤だ。右折しようと交差点の手前で一旦停止している。ここで左から来た赤いクルマが右折をしたので、この車線が空いたものと思い、右折を開始した(赤信号でも右折はOK)。ところがやはり左方向から直進してきた緑のクルマとぶつかりそうになった・・・ というものである。
最初、どうしてそうなったのか分からなかったのだが、交差点の前後で車線の数が違うからだと気づいたのはかなり経ってからだった。実際、交叉している道路に車線が4つもあると、交差点の左右で4車線から3車線に減っているのを瞬時に見極めるのは難しい。それに青いクルマの視点からは、赤いクルマの車線が右折専用かどうかも分からない。左折専用レーンが珍しい日本の感覚からすると、案外これは要注意なのではないかと思う。
車線の話からははずれるが、左ハンドルならではの運転のしにくさがある。それは良く言われるように、ウインカーとワイパーの話だの、ついつい左側通行をしそうになる、という話ではない。ヒール・アンド・トウがしにくいのである。
確かにワイパーとウインカーは左右反対についているが、シフトパターンで右上が1速で左手前がリバースということもないし、アクセルが左でクラッチが右ということもない。左ハンドルでもアクセルはやっぱり一番右である。折角マニュアル車を買ったのだから、と交差点の手前で3速から2速に落とそうと、やってみた。
結果。トウでブレーキを踏むところまでは良かったが、ヒールでアクセルを・・・踏めなかった。最初頭の中が「???」となったのだが、何日かしてようやく理解した。原因はフロアトンネルの存在である。右ハンドルにだってフロアトンネルはある。しかし、ドラ席の左側だ。左ハンドルでは当然逆で、ドラ席の右側に来る。その結果、アクセルペダルの右下部分の空間が、右ハンドル車に比べてかなり小さいのである。ドラ席の足元の一番奥だから、フロアトンネルもミッションがあることを反映してかなり太くなっているのも状況を悪くしている。かようなわけで、右ハンドル車のつもりでブレーキペダルをつま先の部分で踏むと、かかと部分はアクセルペダルの右下まではみ出すので、アクセルペダルを踏む前にフロアトンネルを踏むことになってしまうのである。これを避けるためには、ブレーキペダルをトウと言うより土踏まずあたりで踏むようにしないとダメだ。そうすると、ブレーキペダルとの接点を中心とした足の裏で作るテコの回転半径が小さくなるので、アクセルの踏みしろを確保するためには、テコの回転角度を増やしてやる必要がある。結果としてアキレス腱がかなり伸びることになる。ヨーロッパのラリーストは、みんなこんなことをやっているのか、と少し驚いた。ラリーの全開走行中のギアのスッポ抜けは命取りだ。日本人ドライバーが海外ラリーに出る際は、相当練習するか、日本車を持ち込むのがいいだろう。
ついでにどうでもいいことだが、右足の空間が狭い代わりに、左足の空間が右ハンドルに比べて広い。フットレストがついているが、右ハンドルでは考えられないくらい大きくて使いやすい。
右側通行社会では、アタマで考えるよりも、色々なことが起きるものである。
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