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2008年6月

2008年6月24日 (火)

Parallel Parking

運転免許の実技試験は、実際の道路で一般車に混じって行われる州も多い(隣の Virginia がそうである)ようだが、Maryland では専用のコースで行う。従って試験中に他の車と遭遇することはない。
実技試験そのものは非常にシンプルである。16歳になった高校生が始めて試験を受けるときはどうだか知らないが、少なくとも海外の免許を持っており、それをもとに MD 州の免許を申請する場合は非常にシンプルである。縦列駐車、方向転換、直線バックの3項目だけである。直線バックは言うまでもなく、ゆっくりとただまっすぐバックするだけだ。方向転換とは、10メートル四方くらいのマスの中で、そこからはみ出ないように切り返しを繰り返して 180度方向を転換するだけだ。一定時間内にやらなければならないが、これも特に難しいことはない。

さて問題は縦列駐車である。日本人はこれが苦手だということになっているが、確かにそうらしい。MD の規定では、3分以内に路肩から1フィート以内に寄せなければならない。なお、1回で入れなければならないわけではなく、3分以内なら切り返し等自由である。筆者はとりたてて縦列駐車を苦手と感じたことはないが、普段東京で生活していると、実際に縦列駐車をすることはさほど多くない。そもそも平日にクルマに乗ることはないので、運転するとしても週末だけだ。また駐車禁止の場所が多いので、レッカーされるくらいなら、数百円の料金を払っても有料駐車場に停める方を選ぶ。駐車場の区画は通常横一列になっているので、従って縦列駐車を実地にやるチャンスは少ない。

それが、アメリカでは事情がかなり異なる。日本でも珍しいわけではないが、パーキングメーターが実に多いのである。DCの中や、MD でも都市部では、朝夕のラッシュ時は駐車禁止、昼間は有料だが2時間まで駐車可、夜間と休日は無料で時間制限なく駐車可というようなところが多い。また住宅地では、パーキングメーターはなく、昼間は2時間まで駐車可、夜間や住民のみ駐車可というところも多い。これらの場所で駐車するときは、当然縦列駐車になる。


View Larger Map

この衛星写真は White House と Washington Monument の間の Constitution Ave を写したものである。撮影日時が不明であるが、両側にびっしりと駐車車両があることが分かるであろう。休日に車で DC に行くと、駐車場所の確保が大変である。まあ National Mall を2、3周もする気なら by chance でちょうど空いたスペースを見つけることが出来るものでもあるが、目的の場所まで随分離れた場所だったりする。

かような状況であることから、こちらでは縦列駐車は必須テクニックなのである。記憶では確か上の写真の Constitution Ave はパーキングメーターが設置してあったと思う。パーキングメーターが設置してあれば、路上も白線で区画されており、無料だとしても普通はその区画内に駐車する。従って車両間の間隔は適正に保たれ、神経質になる必要はない。しかし、パーキングメーターのない場所では、車両間の間隔は、各ドライバーが決めることになる。小さいクルマがどいた後、少し大きなクルマが入ったなどの色々な事情で、恐ろしく小さな間隔で駐車しているのを良く見かける。前後とも 10センチほどしかないのでは? と思うような場合もある。傍で見ていると、自分のクルマがギリギリ入るスペースを見つけ、実際に縦列駐車を難なく決めてしまうアメリカ人が多いのに非常に驚く。室内のバックミラーのみで、後のクルマとの間隔数センチというところまでバックしたりする。また、縦列駐車ではないが、駐車場で前からでも後からでも壁まで3センチというところまでギリギリに寄せて停める。

これは、当初、アメリカ人は予想に反して運転がうまいのかと思っていたが、根拠はないもののどうやらそういうことではなさそうな気がしている。筆者の勝手な推測であるが、目が良いのではないだろうか。眼鏡をかけている比率は日本人に比べて圧倒的に少ない。が、視力が良いということではなく、奥行のつかみ方に長けているのではないだろうか、ということである。欧米人はもともと狩猟民族だったから動体視力と深視力が良いという話は単に思いつきというには説得力がある。しかし、深視力が良いだけでは説明がつかない。プラスして空間認知にも長けているものと思う。幾ら深視力が良くても自車のバンパーを直接目で捉えることはできないからである。

縦列駐車ではなく、運転そのものはどうかと言うと、「信用ならない」というのが正直なところだ。ウインカーを点滅させたまま走っているクルマの何と多いことか。注意散漫ということだ。ウインカーを出さずに曲がるクルマ、またウインカーを出したまま交差点を直進するクルマ。信用できない。大体において MVA(MDの免許発行所)自身が、他人のウインカーを信用するなと言っているくらいだ。前はガラ空きなのに一向に加速しないクルマ。たいていケータイに夢中になっている。信号待ちの間、信号が変わったわけでもないのに少し進むクルマ。オートマ車でブレーキが疎かになった証拠である。これも注意散漫。

ところで昼間のヘッドライト点灯については、かなり履行率が高い。これは意識が高いということよりも、クルマの構造がそうなっていることが理由だろう。エンジンオン状態でサイドブレーキを解除すると自動的にライトオンになる仕組である。なお、「ワイパー使用時はヘッドライトオン」という州法がある。なかなか面白い視点だが非常に合理的であると感心した。筆者は Rain X を使用しているのであまりワイパーを動かさない。雨が降るとついライトオンが遅れる。
夜間ヘッドライトを点灯するのは当然だが、他車のヘッドライトが極めて眩しい。対向も後続もである。筆者のクルマが普通の乗用車であるところ、こちらでは大型の SUV等が数多く走っており、それらのヘッドライトの高さはまともに筆者の顔の高さに当たるからである。これらに後に着かれるとたまったものではない。

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2008年6月20日 (金)

Lanes and Driving Technic

こちらで運転していて思うことを、いくつか思いつくままに書いてみよう。

2年前、こちらに来て間もない頃、次のような車線区分を見て仰天した。

Lanes

左折車線が3つもあり、しかも右から2番目のレーンは直進車と左折車の双方が混在することになる。日本で言えば右折車と直進車が混在する状況である。日本では右折レーンはあくまで右折専用で、直進車が混在することはあり得ない。

日本の信号パターンをこちらに置き換えると次のようになる。

Pattern2

対向する双方向ともに直進不可・左折オンリーOKとなった後、双方向とも緑になる(あるいはその逆。日本では逆の方が普通だ)。実際にこういう信号パターンの交差点もある。
なお「双方向とも緑」のとき左折矢印をわざわざ赤に点灯させるケースは少ない。単に左折矢印の緑が消灯するだけだ。ということは、対向車が途切れれば左折しても良い。

この応用編として次のような信号パターンも考えられる。

Pattern3

①上向きが全方向OK。下向きは赤
②双方向とも直進のみOK
③上向きは赤。下向きが全方向OK
このパターンは、こちらでは結構多い。しかし上のパターンと比較して、メリットが分からない。

さて最後に、冒頭で紹介した車線区分が可能な信号パターンはこれだ。

Pattern1_3

上向きが全方向OK となったあと、全方向赤になるというものだ。要するに4叉路のうち1本だけをフルオープンにする代わりに、ほかの3本のどれかが緑になっている間はフルクローズというわけだ。これなら左折と直進が共存できる。左折車が多く、左折レーンが2車線以上あるような交差点ではこのようなパターンをとっているケースが多い。

車線ということでは、片側3車線の道路で、左折レーンはあるのだが信号がないというような交差点が珍しくない。対向車線が3車線もあったのでは、信号で止めないと左折出来っこないと思うが、これが意外に出来る。出来るから信号をつけていないのだろう。上の信号パターンとも関係あると思うが、近隣の信号の関係で、実際に対向車がピタリと来なくなる時間があるのである。中央分離帯のあるような道路では、こうしたスペースを利用してUターンする車も多い。

この周辺ではあまり見かけないが、New Jersey を走っていると、"All turns made from right lane" などと書いてあることがある。「左折とUターンも右車線からせよ」という意味だが、最初どういうことか分からなかった。が、話は単純である。こういう仕掛けである。

Loop

交通量が非常に多く、市街地をはずれて速度の出るような幹線道路で見られる。

ところで、まだ慣れない時分に車線に関する勘違いでヒヤっとしたことがある。こちらでは右折専用レーンは珍しくない。しかし、交差点の先にはその車線の延長がないこともまた多い。図で示すとこうだ。

Crossing

青いクルマが自車で、信号は赤だ。右折しようと交差点の手前で一旦停止している。ここで左から来た赤いクルマが右折をしたので、この車線が空いたものと思い、右折を開始した(赤信号でも右折はOK)。ところがやはり左方向から直進してきた緑のクルマとぶつかりそうになった・・・ というものである。
最初、どうしてそうなったのか分からなかったのだが、交差点の前後で車線の数が違うからだと気づいたのはかなり経ってからだった。実際、交叉している道路に車線が4つもあると、交差点の左右で4車線から3車線に減っているのを瞬時に見極めるのは難しい。それに青いクルマの視点からは、赤いクルマの車線が右折専用かどうかも分からない。左折専用レーンが珍しい日本の感覚からすると、案外これは要注意なのではないかと思う。

車線の話からははずれるが、左ハンドルならではの運転のしにくさがある。それは良く言われるように、ウインカーとワイパーの話だの、ついつい左側通行をしそうになる、という話ではない。ヒール・アンド・トウがしにくいのである。

確かにワイパーとウインカーは左右反対についているが、シフトパターンで右上が1速で左手前がリバースということもないし、アクセルが左でクラッチが右ということもない。左ハンドルでもアクセルはやっぱり一番右である。折角マニュアル車を買ったのだから、と交差点の手前で3速から2速に落とそうと、やってみた。
結果。トウでブレーキを踏むところまでは良かったが、ヒールでアクセルを・・・踏めなかった。最初頭の中が「???」となったのだが、何日かしてようやく理解した。原因はフロアトンネルの存在である。右ハンドルにだってフロアトンネルはある。しかし、ドラ席の左側だ。左ハンドルでは当然逆で、ドラ席の右側に来る。その結果、アクセルペダルの右下部分の空間が、右ハンドル車に比べてかなり小さいのである。ドラ席の足元の一番奥だから、フロアトンネルもミッションがあることを反映してかなり太くなっているのも状況を悪くしている。かようなわけで、右ハンドル車のつもりでブレーキペダルをつま先の部分で踏むと、かかと部分はアクセルペダルの右下まではみ出すので、アクセルペダルを踏む前にフロアトンネルを踏むことになってしまうのである。これを避けるためには、ブレーキペダルをトウと言うより土踏まずあたりで踏むようにしないとダメだ。そうすると、ブレーキペダルとの接点を中心とした足の裏で作るテコの回転半径が小さくなるので、アクセルの踏みしろを確保するためには、テコの回転角度を増やしてやる必要がある。結果としてアキレス腱がかなり伸びることになる。ヨーロッパのラリーストは、みんなこんなことをやっているのか、と少し驚いた。ラリーの全開走行中のギアのスッポ抜けは命取りだ。日本人ドライバーが海外ラリーに出る際は、相当練習するか、日本車を持ち込むのがいいだろう。

ついでにどうでもいいことだが、右足の空間が狭い代わりに、左足の空間が右ハンドルに比べて広い。フットレストがついているが、右ハンドルでは考えられないくらい大きくて使いやすい。

右側通行社会では、アタマで考えるよりも、色々なことが起きるものである。

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2008年6月19日 (木)

Auto Parts (2)

日本では ETC を使っていた。何事につけ並ぶのが大嫌いな性分で、レストランだろうが料金所だろうがとにかく並ばないで済むなら多少のカネを払ってでもそうした。ETC が導入されて初期の頃は、特に ETC 割引という制度もなかったが、それでも3万円程度の ETC 車載器をさっさと購入したものである。

ただこの ETC 車載器、オートパーツ店などで「セットアップ」が必要であった。これは車載器に車種情報などを書き込むものである。逆に言うと車種情報は車載器に登録されているため、例えばレンタカーに ETC 車載器が搭載されていれば、そこに自分の ETC カードを差し込んで、あたかも自分の車をドライブするように有料道路を利用することが出来る。車載器のクルマへの採り付けは極めて簡単なもので、好きなところに固定し、電源ケーブルを確保すれば良い。なお ETC カードは一種のクレジットカードなので、全て後から銀行引き落としで決済される。

さてこちらには ETC に相当するものに、EZ Pass というものがある。これは車載器とカードというように分かれておらず、transponder と呼ばれる装置を用いる。車内に設置する transponder は、恐らく料金所のアンテナからの電磁波を感じて自分で発電し、必要な情報を送り返す仕組なのであろう。このため原理的には ETC に相当するというより、SUICA に近く、電源が不要である。有料道路入口と出口にそれぞれアンテナがあり(写真中緑色の「↓」のスグ下)、通過するクルマに搭載されている transponder と交信する。

Ezgate

Transponder をクルマに取り付けたところは、こんな感じ。

_ezpass_2

フロントガラス内側 上端に取り付ける。写真を良く見ると分かるが、取り付け方は非常に原始的で、「マジックテープ」である。当然のことながら、車種情報等はこの transponder に書き込まれており、車載器というものがないため、同等の車種であればどんなクルマに対しても、この transponder を持ち込めば EZ Pass で有料道路を通行することが出来る。違う料金クラスの車種に持ち込んでも使えそうであるが、不正が判明したときのペナルティはどんなものか知らない。違うクルマに持ち込んだときはマジックテープなどが貼っていないため、必要なときにフロントガラスの上端に手でかざせば使える。

そして決済方法であるが、これはプリペイドである。支払方法はネットが利用できるので、自分で残額を管理しながら適宜チャージしておけば良い。しかし運転中に不足した場合、料金所を出る前にチャージすることが出来ないので、自動チャージを選択することも出来る。クレジットカードを登録して置いて、残額が一定金額以下になったらクレジットカードから自動的に支払う方法である。筆者の場合、残額が 10ドル以下になると自動的に 25ドル引き落とされ、チャージされるようになっている。
10ドルを割り込んで初めてチャージされるのでは、例えば残額 11ドルの時に 12ドルの料金所を通過できないことになるが、現実にはそんな高い通行料金は今のところ経験したことがない。例えば New Jersey Turnpike は、南は Delaware Memorial Bridge の北から、北は Fort Lee, NJ まで全長 122.40マイルとかなり長い有料道路であるが、全線を通して走っても自家用車クラスだとピーク時 6.45ドル、オフピークで 4.85ドルしかかからない。New Jersey とマンハッタンを結ぶリンカーントンネルは短い割に高いと思うが、それでも 6ドルだ。

筆者の用いている EZ Pass は、EZ Pass Maryland が発行したものだが、当然のことながら近隣のどの州でも使える。かと言って全米で使えるのかと思ったら、使えるのは ME, NH, MA, NY, NJ, PA, DE, MD, VA, WV, IL, IN の 12州だけであった。VA 以北の東海岸の州のうち抜けているのは VT, CT, RI であるが、VT と CT は有料道路そのものがないので、有料道路があるのに EZ Pass に対応していないのは RI だけである。
逆にこの 12州内の全ての有料道路で使えるわけでもなく、田舎の有料道路などは対応していない。これは日本も同様だ。

EZ Pass の話から離れるが、こちらの有料道路で、片方向のみ料金を収受する道路が珍しくないのが面白いと思う。例えばここからマンハッタンを往復する場合、有料道路は、南から

Baltimore Harbor Tunnel または Fort McHenry Tunnel
John F. Kennedy Memorial Highway
Delaware Turnpike
Delaware Memorial Bridge
New Jersey Turnpike
Lincoln Tunnel

というようなルートが一般的だが、このうち

JFK Mem Hwy は northbound のみ
Del Mem Bridge は southbound のみ
Lincoln Tunnel は eastbound のみ

料金がかかる。両方向各半額ずつ徴収するのと比較して同一収入でありながらブースの設置・維持管理費が半分で済むという発想なのだろうか?

また、発想は異なるが DC とワシントンダレス空港への往復に用いる Dulles Toll Road(VA 267)は、I-495 以東 と Dulles Airport 間を、途中で乗り降りせずに直行する場合のみ無料という面白いシステムをとっている。これは明らかに空港利用者の利便性を考えてのことであろう。これを逆手にとると、セコい話であるが I-495 以東の DC 方面から Dulles Airport 以西の Leesburg 方面に向かう場合、一旦 Dulles Airport に直行し、そこから改めて Toll Road に乗りなおせば、DC - Dulles 間の料金が節約できる。

有料道路に関しても日本では考えられないことがいろいろあるものである。

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2008年6月14日 (土)

Auto Parts (1)

昔は車いじりが好きで、特に学生の頃は時間はあるがカネがないというので、良く自分であちこちに手を入れていた。サスやブレーキパッドはもちろん、ブレーキディスクの交換までやったことがある。エアコンコンプレッサーの交換も経験がある。免許を取った時ウチにあったクルマは GC-10 だったが、スグに買い換えることとなり、何とあの駄作 810ブルーバードになった。この駄作のハンドルを 36φにし、オルガン式のアクセルペダルを吊り下げ式にしたりして、それなりに運転しやすくした。プラグを掃除してエアフィルタを・・・ 100Wの補助灯をつけリレーでハイビーム連動に・・・ とまあ良くいじり回した。

東京で最後に乗っていたのは 96年レガシーツインターボだったが、これに手を入れたのはカーナビと ETCの取付くらいである。整備と修理は全て整備工場で。

そして2年前、こちらに来て買ったクルマは 98年のレガシーだ。こちらでは 98年式にはターボの設定はないので、ノーマル 2.5Lである。これがまあ、なんと走行 96,000マイル(!)で本体価格 7,000ドルだった。これでも車種と年式とマイルを考えるとこちらの相場ではカナリ安い方である。日本では考えられないが。

このボロ車も、整備と修理は全て整備工場で行っている。自分でした修理は、目下のところシガーソケットの交換くらいか。これがまた面白い。そこらのオートパーツ屋で、スバル用のシガーソケットなんぞが手に入るからオドロキだった。日本だったらまずスバルのパーツセンターに行かないと無理だろう。

ところがこのオートパーツ屋、他州には日本のオートバックスみたいな大型店舗があるのだが、MDでは見かけたことがないし、検索したり電話帳を見ても、大型店はないようだ。車社会なのに不思議な話である。この界隈では Advance Auto Parts というのが主要なチェーン店だが、それぞれの店舗自体は、日本の大型コンビニというか、小型スーパーというか、その程度である。それでいて上に書いたようにスバルのシガーライターなどが置いてあったりする。逆に、意外中の意外だったのが、ドリンクホルダーがないこと。エアコンの吹き出し口につけるコレである。

D_holder

この店にないのではなく、何軒回ってもそういうものはない。ロングドライブが多い国なのに、どうしてだろうか。かわりにこういうものがあったりする。

D_holder_us1 D_holder_us2_2


左はドアに引っ掛けて使うもの。右はシフトトンネルとシートの間に挟んで使うもの。どちらも直径は日本のより大きく、600ml入りのコークのボトルが収まりそうだ。が、これじゃ冷たいコークが見る間に温まってしまう。
それから、駐車場の出入りに使う ICカードなどを気持ち良く整理・収納しようと思ってサンバイザーにとりつけるタイプのオーガナイザーを探した。これは、なくは無かったが本当に種類が少ない。異常と思えるほどに種類が多かったのは CDケース。これからは MP3 が主流になるだろうから需要は減っていくだろうが、ともかく数の多さには驚いた。
また、なるほどアメリカだな~と感心したのはコレ。

Hitch_ball2

Hitch ball と呼ぶのは今日まで知らなかったが、クルマの後端にとりつけて、trailer を引くための「連結器」だ。Trailer と言っても日本語でいうトレーラーではなく、こんなものだ。

Trailer1 Trailer2

左はいわずもがなキャンピング用、右は荷物を運ぶための trailer だ。間違いなくアメリカならでは、だ。実際 trailer を牽いているクルマは沢山いる。自分のボートを川まで運ぶ人、芝刈機を運ぶ業者、キャンピングに行く家族、引越し中の家族、家畜を運搬中の農家。
牽く方も牽かれる方も上の写真より大きくなるが、自分の車を自分で牽引するケースもある。大型キャンピングカーに自家用車を牽引してキャンプに向かう家族。キャンピング場に付いたらキャンピングカーを設営するが、そこから近辺のスーパーマーケットに買出しに行ったり、近所の観光スポットを回るのには自家用車がいい、ということで無人の自家用車を牽引していくわけだ。
また、自分でレンタカーを借りて引越をする人も多い。この場合、レンタカーの引越トラックに自家用車を牽引して運んでいく。レンタカー屋はそれ用の牽引装置も貸し出す。これらを見た時は目から鱗状態だった。

さて、クルマを買って自分仕様にするためには何をするか。日本と同じ、カーナビと ETC をまず考えた。

カーナビは、こちらではオートパーツ屋で買うというよりも、PC店や電器店、または Target や Walmart などの量販店などで買うのが一般的だ。ネット通販でもいい。購入に先立ってネットで研究したが、日本に比べて驚くほど安い。また驚くほど取り付けが簡単である。

日本で使っていたカーナビは、とにかく取り付けが面倒で半日仕事であった。当然のことながら、本体とディスプレイは一体になっておらず、本体はドラ席の下、ディスプレイはダッシュボード上というようなことになる。なにしろ配線がやっかいで、車速信号、パーキングセンサー、照明センサー、バックセンサーの他、メイン電源、アクセサリー電源、GPSアンテナ配線、外付け FMアンテナ配線があり、さらにラジオとの連動のため車のオリジナルアンテナ配線との接続も必要だった。このためにドライバー席をはずし、シフトトンネルカバーをはずし、カーステ周りのパネルをはずし、リアゲートの内装パネルもはずし・・・ そして接続した諸々のケーブルを剥き出しにならないようにシートの隙間等に通して行く。最初ギャランにとりつけた時は1日仕事、取り外しに数時間。スバルにとりつけた時にもまた1日仕事、取り外しに数時間。

それが、なんと、配線としては電源をシガーソケットに差し込むだけ。本体とディスプレイは一体型で、取付は吸盤でフロントシールドに貼り付けるだけ。1分で終了。そんなんで正確なんかいな、と疑心暗鬼であったが、試しに使ってみて驚いた。正確である。数メートルもずれない。
後にハイキング用の携帯 GPSを買ったが、これで分かった。捕捉している GPSの数が、1ダースくらいあるのである。日本だとずっと少ないのではないか。このためバックセンサーも、車速センサーも必要ないのだろう。その代わりと言っては何だが、トンネルの中などでは日本方式(ジャイロ等で補正)の方がずっと精度が高いと思われる。

価格は、200ドルくらいから800ドルくらいまで。車を買い換えても移設する面倒はないし、レンタカーにも持ち込める。地図データは全て本体内のメモリに収納されているので、アップデートするときは PCと接続してメモリを書き換えることになる。また、本体メモリは有限なので、日本のようにレストランデータベースが同梱されていたり、モードを切り替えてバードビューにしたりということもない。画面もあっさりしていてカーナビとしての基本的な機能しかないと考えて良い。下の画像は Tom Tom GO 510。

Tomtom

これは Yahoo で 220ドルで出ている。なお Tom Tom は音声ガイドが日本語にも対応しているらしい。が、Hertz のレンタカーについていたカーナビを日本語モードにして見たが、はっきり言って英語のままの方がよっぽど理解しやすかった。

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2008年6月13日 (金)

Pronunciation

以前から気になって仕方のない"和製英語"がある。スーパーマーケットに行くと、デカデカと「ティーパック 198円」等と貼り紙されていたりする。それを見るたびに「ティーバッグ」だろと思って苦々しい気持ちになったものだ。しかしこの「ティーパック」、ある意味見事な間違いだと感心もしたりする。「ティー」部分は間違っていないので良いが、bag を pack に入れ替えてしまうあたり、本当に感心する。実際 tea の1杯分の pack になっているわけだ。これでは一度「ティーパック」と覚えた人は長いこと間違いに気づかないだろうと納得する。

しかし、つい先日調べてみるまで自信のなかった単語もある。学生のころ「デーパック」は良く持ち歩いていたが、これはひょっとして「デーバッグ」なのではないかと疑っていた。中にモノを詰めるためのものだからだ。しかしこれは pack で正解であった。Back pack 等と同じで、むしろ sack と考えるべきもののようだ。それの1日用ということで、英語でも day pack であった。「デーパック」と発音することもあるので、D-pack? なんじゃそりゃと思ったこともあったが、やっと納得した。カタカナ表記と発音は「デイパック」が良かろう。ついでに言うと「ディパック」(小さい「ィ」)はよろしくない。

Bag に関しては、「ハンドバック」というのも比較的良くお目にかかる。「トートバック」も然りだ。こんなに誰もが知っている英単語なのに、どうしてカタカナ発音をすると g が k に変わってしまうのか不思議だ。有声の子音が無声の子音に置き換わるケースは多い。

「ベットルーム」(正:ベッドルーム)、「ブルドック」(正:ブルドッグ)、「マウスパット」(正:マウスパッド)、「バッチ」(正:バッジ)、「キューピット」(正:キューピッド)、「スムース」(正:スムーズ)などなど。

冒頭の bag → pack は有声音の無声化が二重に起きた例でもある。

近年 TOB で世間を賑わせたブルドックソース社の英語表記は Bull-Dog SAUCE CO.,LTD. だ。同社のホームページから「ブルドックソースの名前の由来」を見ると、

ソース発祥の地であるイギリスではブルドッグはシンボル犬として愛されていました。また、ソースが日本の家庭に馴染んできた大正末期に、ブルドッグがペットとして人気を集めていました。そこで、ソースのおいしさもこのペット同様に人々に広く愛されるようにと、商品名に「ブルドック」として採用、マークとしました。

と書いてあるが、「ドッグ」が「ドック」になった経緯は全く書いていない。

一方、有声音の無声化と逆に、頻度は下がるが無声音の有声化の例もある。

リラクゼーション(正:リラクセーション)、アボガド(正:アボカド)、ジャグジー(正:ジャクジー)、ギブス(正:ギプス)など

これらは理由が不明だそうだ。

以上は一部を "goo" のページ から引用させてもらった。

ここから先は完全な私見で、何の根拠もない。

子音の入れ替わりは、外国語を日本語に置き換える際に発生したかのように見えるが、実は日本語そのものがそういう歴史を持っていると、大昔古文の授業で聞いた記憶がある。古代日本語は "f" の発音を持っていたが、段々ラクな発音に移行して "h" に変化した。フランス語ではさらにラクな方向にシフトして、"h" は書いてあっても発音しないまでになった。フランス語はおいておいて、昔の日本語は「ゐ」と「い」、「ゑ」と「え」は発音し分けていた。「くわ」と「か」、「くえ」と「け」も然り。
発音し分けていたものがしなくなったり、有声音だったものが無声になったり、いずれにしても言語はラクな方向にシフトしていくらしい。

実は、東京の口語では母音すら省略するケースが多い。イの段とウの段では顕著であり、エの段やオの段でも程度の差こそあれ、散見される。「しんぶんし」と言うとき、2回出てくる「し」は、殆ど "i" の音を発音しない。口は "i" の形をするが、実際にそこから息を吐き出していない。特に2回目の「し」でその傾向が顕著である。「しんぶんし」と言って最後の「し」を長く「し~」と伸してみると、その時声帯が震えていないことが分かる。「ぶ」では "u" を省略しているとは言えないが、"u" は極めて短く発音され、声帯が震えるのはほんの一瞬である。「いっぷん」(1分)というときの「ぷ」では "u" や「さんぽ」というときの「ぽ」も、"o" の音で息を吐き出すのはやはりほんの一瞬であり、殆ど声帯は震えていない。

ところが、これら母音を比較的きちんと発音する地域もある。筆者の知る限り、静岡県のうち少なくとも静岡市~藤枝市にかけての地域が該当する。東京の発音になれた耳からは、たどたどしく、重く聞こえる。またアメリカ生まれの日本人(=二世)なども該当することがある。母音を省略しない時代に渡米してきた両親が、その当時の発音を維持しているからであろう。

有声音の無音化や母音の省略、子音の統合など、発音の簡素化は日本語に特異的な現象かと思っていたら、そうでもないことがこちらに来て気づいた。

以前 cheesesteak の記事で、cheesesteak with American cheese and onion をオーダーするときに "American wit" と言うと書いた。オーダーするのが cheesesteak であるのは当然なのでそれはいちいち言わず、チーズの種類とオニオンの有無を指定するだけだ。ここで wit というのは with onion という意味だが、有声音の無声化が見られる。しかも "ð" が "θ" に換わっただけでなく、"t" にまで一気に進んでいる。"ð" の移行先としては、有声のまま "d" に換わるケースもある。日本人は "ð" や "θ" の発音が不得意だが、いい加減に "d" や "t" で代用しても結構通じそうである。だが、"ð" が "z" に、また "θ" が "s" に換わるケースは少ないと思われるため、日本人の得意なこの種の置き換えは通じない可能性が高いと思われる。

子音の流動化と母音の省略は、人名(first name)で顕著である。例えば 2006年生まれの男児の名前のトップは "Jacob" であるが、その変化形は名前の web によると

Cob, Cobb, Cobby, Giacamo, Giacobo, Giacomo, Giacopo, Hamish, Iacopo, Iacovo, Iago, Iakob, Iakobos, Iakov, Jaco, Jacobo, Jacobi, Jacoby, Jack, Jackie, Jacko, Jacky, Jacobo, Jacobus, Jacques, Jacquet, Jago, Jaime, Jake, Jakie, Jakob, Jakov, Jakub, James, Jamesie, Jamey, Jamie, Jamsey, Jay, Jayme, Jim, Jimmie, Seamus, Shamus and Yakov

と、45もあるとのことである。子音も母音もいかに流動化しているか分かるであろう。
日本人の不得意な "v" が、人名では "b" と相互乗り入れしていることも分かる。「ヤコブ」も「ヤコヴ」もどちらも通じそうである。またここには出てこないが、"r" と "d" も良く入れ替わる。

発音の「手抜き」は、ふつうの単語でも珍しくない。"N" の後で "t" が省略されるなどは好例である。"Twenty" は本来 [twenti] であるが、現実には [tweni] である。"Center" も [sentɚ] ではなく [senɚ] である。その他 "them" を "'em" としか発音しないことも珍しくなく、"Kind of" は "kinda"、"sort of" は "sorta"、"want to" は "wanna" となる。これらは CNN のアナウンサーですら用いている。"Don't" の後半部分は殆ど聞こえない。

「正しい」英語を覚えても、こうした「手抜き」を覚えないと意外と口語を聞き取れないものかも知れない。そしてこれは更に進化していくものと思われる。

口語という意味では、日本語もめまぐるしく進化している。「てか」(と言うか)などは書き言葉でも用いられるようになったが、「でら」(どえりゃあ)には驚いた。日本語にも catch up していかなくてはならない。

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2008年6月 4日 (水)

Amtrak / Regional

Amtrak の Northeast Corridor における優等列車は Acela で、その専用の車体は Northeast Corridor の中でも Boston - Washington DC 間に限って用いられることを以前書いた。筆者が良く利用するのはこの Acela ではなく、普通のアムトラック Regional である。DC - NY 間だと、所要時間が 30分程度しか違わないのに料金にかなりの差があるからだ。さて Regional は、Northbound でも Southbound でも先頭から機関車、business class、cafe car、あとは coach class でその最後尾が quite car となっていることが多い。

Regional の Boston - DC 間を牽引する電気機関車は主として AEM-7 という形式である。

Aem7ac_939

1978年から 1988年にかけて General Motors の Electro-Motive Division(現 Electro-Motive Diesel, Inc)によって 53 両製造された(車体番号 901-953。900 は試作車で、これを合わせると 54 両)。軸配置は B-B なので旧国鉄で言えば ED 型になる。出力はなんと 7,000HP というから驚く。EF65 の約 3,400HP、EF66 の 5,000HP と比較すると良く分かる。客車しか牽かないのに、貨物用の EF66 の 1.4倍の出力だ。そしてこの高出力に加えて車輌重量が 101 トンしかない(その前世代の GG1 は 238 トン)ため、パワーウエイトレシオは今でもトップだそうだ。

AEM-7 の最高速度は Regional 牽引時で 125mph、それ以外の列車牽引時は 110mph だそうである。この設定も、EF65 の最高速度が 115km/h であることと比較すると、その違いが良く分かる。もちろん Amtrak の標準軌に対して国鉄は狭軌というハンデもあるが。

1987年1月4日、メリーランド州で Regional と貨物の Conrail が激突する大事故(Regional は最高速度で走行中だった)があり、これにより 900 と 903 が、また 2000年 11月の火災事故で 913 が失われ、現在は 51 両だそうだ。なお、火災事故はその後も発生しており、2003年 6月 29日に 930 が、2003年 7月 8日に 922 が、2007年 10月 5日に 910 が出火しているが、修復されて現役である。筆者も車輌トラブルには何回か遭遇した。NY から DC まで6時間かかったことがある。

1999年から 2002年には 51 両のうち 29 両に改造が加えられた。この改造により、水冷 IGBT(insulated-gate bipolar transistor)が搭載され、また 5MW のトラクションモーターに加えて 1MW のHEP(head end power)が搭載され(何と 8,000HP にパワーアップ)、12両編成を牽引できるようになった。この改造車を AEM-7AC と呼ぶ。車体番号は 901、904、905、908、914、916-921、923-925、927-929、934-936、938-944、946 および 948 とのことである。

この AEM-7 は、何と MARC(Maryland Rail Commuter Service)および SEPTA(Southeastern Pennsylvania Transportation Authority)にも各4両および7両が配備されているそうだ。MARC と SEPTA がそんなスピードで走っているとは知らなかった。どちらも乗ったことはないが、New Jersey Transit の急行は、Amtrak に引けを取らないほどのスピードで走っているように思えた。
MARC の Penn Line では、Baltimore - Washington DC 間の 41 マイルを最速 50分で結ぶから、表定速度 49mph(78km/h)と計算される。日本の在来線特急並ではあるが、Regional 並とは言えない。そもそもこの最速列車を AEM-7 が牽引するかどうかは不明だが、MARC の他の路線はすべて非電化区間であり、AEM-7 は Penn Line でのみ用いられるので、この最速列車を牽引している可能性は高い。

Toasters、Swedish Meatballs、Mighty Mouse などのニックネームがついているそうだが、その理由は良く分からない。

ところで AEM-7 は、3つの電流規格に対応している。11,000 V AC/25 Hz、11,000-13,500 V AC/60 Hz、25,000 V AC/60 Hz である。どういうことかと思っていたら、DC を出発したら NY を越えて Pelham Bay Draw までが 11,000 V/25 Hz、その先 New Rochelle NY までが 12,500V/60Hz、その先 New Haven CT までが 11,000~13,500V/60Hz、終点 Boston MA までが 25,000V/60Hz だとのことで、えらく忙しく電圧と周波数が変わる。その都度デッドセクションを設けているのだろうか?

ちなみに DC 以南へ直通する Regional はどうなっているのか? 答えは簡単。DC 以南は非電化区間なのでディーゼル機関車が牽引するのであった。Southbound の Regional は、DC に到着すると AEM-7 を切り離し、ディーゼル機関車に付け替える。Regional にはブルトレのような電源車がないので、AEM-7 を失った編成は、ディーゼルが連結されるまでの間停電状態となる。非常用の薄暗いランプのみがついた状態で、当然エアコンも落ちる。事前にアナウンスがあるので乗客が慌てることはないが、まあこれも旅の愉しみの一つと言えなくももない。

DC 以南でどれくらいスピードが落ちるのか計算してみた。NY - DC 間の Regional の最速列車は、226 マイルを3時間8分で結ぶので、表定速度は 72.1mph(115.4km/h)。早い早い。日本の在来線の表定速度第一位は「スーパー北斗17号」の函館-札幌間で 106.2km/h(2003年3月現在)だったそうだから、これより 10km/h 程度早い。というより、それくらいしか違わないとも言える。
これが DC - Richmond 間だと最速列車は 109 マイルを2時間6分で結ぶので、表定速度は 51.9mph。上の MARC 位のスピードということになる。DC を過ぎれば乗客も少なく、景色ものどかになるだろうから、これくらいのスピードでちょうど良いかも知れない。

ちなみに DC 以南・以北を直通する Regional は、DC での停車時間が 40分というものも少なくない。従って通しで乗ると、結構時間がかかる旅になるようだ。Northbound の 66 便は、何と DC で1時間35分も停車する。ちょうど時間も 20:25~22:00 ということで、一旦列車を降りて Union Station のレストランで遅めの食事というのもいいかも知れない。ただし車内の荷物の紛失と、食事後に半券がもぎ取られた後のチケットでどうやって再入場するのかは知らない。

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2008年6月 3日 (火)

Truck

こちらの自動車事情で、日本に比べて SUV が多いようだとか、ピックアップトラックが多いだとか、全体に大型であり、日本車がかなりのシェアを占めているというようなことを以前書いた。
しかし、バスは日本と決定的に事情が違い、バスには日本車が恐らく殆ど(全く?)ないことも書いた。

今回はトラックについて感じたことを書いてみよう。トラックに関しては、イスズと FUSO が市場に食い込んではいるが、シェアは低いようだ。サイズは5トン以下が中心のように見える。それより大きいトラックは、ほぼ全部アメリカ製のように見える。

このアメリカ製のトラックであるが、日本のトラックと比較して大きな特徴が2つある。ひとつは殆ど全てのトラックがフロントエンジンであるため、鼻先が長い(ボンネットがある)。例としてトラックメーカー Mack の HP を見るとそれが分かる。理由は不明なのだが、恐らくメンテナンスが容易であるからではなかろうか。日本ではほぼ 100% キャブオーバーであるが、これは車体長に対する荷室長の大きさが有利なためだそうだ。アメリカでは車体長などということを気にしないらしい。何しろ広い国だし駐車スペースも気にする必要がないのかも知れない。また勝手な想像だが、クルマに関する税金や法制度なども、車体長にこだわらなくて良い体系になっているのではないかと思う。
イスズと FUSO はこちらでもキャブオーバーである。それは車体長にこだわったからではなく単純に日本とシャーシを共通にしているからに違いない。

なおバスについては、一部のスクールバスを除き、大型バスは貸切・長距離・路線バスとも日本同様リアエンジンでボンネットがなく、運転席は最前面にある。スクールバスもリアエンジン化が進んでいる。バスに関してはアメリカでも車体長を気にする理由があるのだろうか。

もう一つの大きな特徴は、airlift axle と呼ばれる車軸が多くのトラックについていることだ。特にダンプカーなど、重量のあるものを運ぶトラックについていることが多い。このようなものだ。

Truck

前から2軸目の車軸は、必要に応じて上下できるようになっている。写真は持ち上げた状態になっており、地面に接していない。これを下ろすと接地する。荷が軽いときは持ち上げた状態にしておく。その方がカーブで曲がりやすいのと、接地している後2軸のトラクションを良くするためである。荷が重い時は接地させて各軸にかかる重量を分散させる。この上下コントロールはコンピュータで自動制御されるものもあるらしい。

用途が上に書いたようなものなので、接地させずに走っていることが多い。このため最初のうちはスペアタイアかと思っていた。それにしては他のタイヤより径が小さいことが多いので不思議に思っていた。接地状態で走っているところを見て用途を理解したが、そんな風に可動式の車軸で、重量を支えきれるのか今ひとつ信じきれないでいた。詳しいメカニズムは知らないが、Wikipedia に記載があったので間違いないだろう。

日本ではこのようなダンプカーを見たことがない。積載重量が日本の方が小さいため、車軸を増やす必要がない、ということではないと思うが、この発想は不思議である。車体がより大きい重量に耐えるようにするためには、通常ならサスペンションやシャーシを補強することになると思うので、車軸を増やす意味はあまり感じられない。車軸を増やすことの最大の効果は、軸あたりの加重が減ることである。これにより確かにサスペンション等への負担は軽減するだろうが、寧ろ道路側の負担が減ると言える。しかし、トラックメーカーが、こんな面倒な装置をつけてまで道路に優しいトラックを作ろうとするだろうか?

まさかとは思うが、有料道路の料金対策ということでもなかろう。New Jersey Turnpike の料金表は、3軸トラックがこちら、4軸トラックがこちらというように、大型トラックの料金は車軸の数で決まる。例えばターンパイク南端の Delaware Memorial Bridge から Lincoln Tunnel 入口の 16W 出口まで乗ると、3軸なら 16.50 ドル、4軸なら 19.05 ドルというように、3.55 ドルの差が出る・・・が、まさかそのために? 上位置においておいて接地していなければ軸に数えないとか?

今ひとつピンと来ない装置である。

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