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2008年4月11日 (金)

Pet's International Travel

良く話題になる、ペット(犬および猫)の検疫のことについてまとめておこう。ここでは、日米の間のことについて書いておくことにする。なお情報は2008年4月10日現在のものに基づいている。

まず、入出国とも、参照すべきサイトを上げておこう。アメリカサイドはこちら(USDA)
http://www.aphis.usda.gov/import_export/index.shtml

日本サイドはこちら(農水省動物検疫所)
http://www.maff.go.jp/aqs/animal/index.html

まず、どちらの国も、出国にあたっては、検疫所(米国の場合は指定機関)において健康証明を受けなければならない等のことは言うが、ワクチンがどうの、マイクロチップがどうのというようなことについては、あまり煩いことは言わない(日本の検疫では事前の届出等若干の手続きはあるが)。人間のSARSなどでもそうだが、他国から得体の知れないものを持ち込まれるのは避けようとするが、自国から出て行くものが何を持って行こうとあまり関心がないのと同じである。

寧ろ、相手国に入国できる条件を備えていますか? と心配されるくらいである。 また、相手国に入国する以前に、航空会社が受け入れ可能と言っていますか? と心配される場合もある。航空会社の問題はともかく、双方の検疫所における入国の条件が最も重要な心配ごとである。

まずアメリカ入国に際しては、上のサイトによると、次のようなことが書いてある。
入国に先立つこと30日以上前に狂犬病のワクチン接種を受けていること(3ヶ月未満の子犬・子猫を除く)。そして有効な証明書を持っていること、とある。しかし、同サイトからリンクしている先のCDCのサイトでは、「とは言えその証明書を検疫でチェックすることはない。寧ろ航空会社が証明書を見せろと言うことがあるから、そのために必要」というようなことを言っている。
マイクロチップに関しては一切の記載がない。
よって、航空会社はともかくとして、米国の検疫所が犬猫の入国に際してとやかく言うことはない。参考までに、筆者が猫を成田からダレス空港に連れてきたときは、猫そのものは全くノーチェックで、寧ろ「キャットフードを持っていないか?」と、キャットフードの持ち込みに神経を尖らされた。どうやら輸入禁止のキャットフードがあるらしい。

一方、とにかく大変なのが日本入国である。日本入国については、次のような段取りを踏まないといけない(アメリカは狂犬病のある国と認定されているため。狂犬病がないと認定されている国はこの限りでない)。こうしないと、下記1)~5)の手続きを日本到着後検疫所でした上で、6)の「待機」を検疫所指定の係留施設で過ごさないといけない。

1)マイクロチップを埋設
2)1)の後、個体識別の上1回目の狂犬病ワクチン接種
3)2)の30日以上あと、個体識別の上2回目の狂犬病ワクチン接種
4)3)の一定期間あと、個体識別の上血液サンプル採取
5)農水省指定の検査機関(各国にある)から、抗体価の証明書を受領
6)4)から180日以上待機
7)日本入国の40日以上前に、日本の検疫に輸入の届出
8)米国出国の2日以内前に、USDA指定の検査機関で健康証明
9)日本へ


○マイクロチップは、判読できる状態が維持されていれば、当該ペットの一生で一度だけ埋設すれば良い。
○4)の一定期間とは、当該ペットにとって初めてのワクチン接種であった場合、抗体価が充分に上がるのに1~2週間(個体差あり)かかるという意味。接種履歴があり、前回の有効期間内や有効期間満了間もなければ、抗体価が充分高い状態が続いていると思われるため、血液採取は2回目の接種直後でもよいと思われる。
○このワクチンの有効期間は4)の血液採取日から2年間。検疫所のHPには確かにそう書いてあるが、理屈からすると3)の2度目の摂取日から2年間と考えるのが妥当のはず。この点、どちらが正しいかは未確認。

もし、もともと日本にいたペットで、渡米し、日本に戻ってくることがなければ、この日本入国に必要なウルサイ条件をクリアする必要は全くない。

が、もともと日本にいたかアメリカで飼いはじめたかに関係なく、日本に入国しようとすれば上記条件をクリアする必要がある。

アメリカで飼い始めたペットであれば、単純に上の条件をアメリカで整えれば良い(マイクロチップに関する注意は後述)。

もともと日本にいたペットでも、2年以上日本に戻ることがないのが確実ならば、日本出国前に特にすべきことはない。アメリカで飼い始めた場合と同様にすれば良い。

もともと日本にいたペットで、180日以上2年経過前に日本に戻る可能性があるのであれば、日本出国前にしておくべきことがある。日本において上記1)~5)をしておくことだ。
しかし、日本において上記1)~5)をしていても、日本再入国がワクチンの有効期間が切れる2年間を超えてしまうようだと、アメリカにおいて追加接種をしておく必要がある。現実には、追加接種が有効となるには、初回接種と同様180日の待機期間が必要なので、日本で取得したワクチンが失効する180日以上前にアメリカにおいて追加接種および血液採取を済ませておく必要がある。事実上、1年半ごとに追加接種が必要になるということである。
それに加えて、どうやらアメリカでは狂犬病ワクチンの有効期間は1年というのが標準らしい。2年、3年有効のものもあるが、安全性の観点から1年が標準という説明を獣医から受けた。となると、追加接種をアメリカで行ってもそれが1年しか有効でないのなら、それが切れる180日以上前に再々接種をしなければいけない理屈になり、これでは半年ごとに接種に通うことになってしまう。これではペットも人もたまらないので、次回は2年有効なワクチンを打ってもらおうと思う。

ここで、マイクロチップに関する注意がある。アメリカを除く各国は、マイクロチップについてISO規格を採用しているが、アメリカだけはその限りでない。従って、アメリカで埋設したチップを日本で読もうとすると(あるいはその逆も)、読めない可能性がある。
日本で埋設して2年以内に確実に戻ってくるのならあまり心配はないが(アメリカ入国に際してアメリカの検疫が個体識別をすることはない)、2年を超えるようだと上記の通りアメリカで追加接種と血液採取をする必要があり、その際に獣医による個体識別が必要となる(日本側の要請)ので、日本のチップがアメリカで読めないとなると困ることになる。このため、ISO規格のチップリーダを予め日本で入手し、追加接種の際アメリカの獣医に持参するくことが望ましい。筆者は東京で35,000円ほどのリーダを購入して使っている。なお、アメリカでこのリーダを獣医に持参し忘れた際、獣医のリーダで読んでみたら、驚いたことに問題なく読めた。が、いつもそうとは限らない。

逆にアメリカでチップを埋設した場合、日本の検疫所で個体識別が出来ない可能性があり、そうなると入国できないことになるので、アメリカで埋設したチップが判読可能なリーダをアメリカで入手しておき、日本の検疫所で使用することが望ましい。

ペットにとって日本という国は、とてもハードルの高い国である。

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